【その3:人工知能(AI)活用型チャットボット】Eコマースで利用されているチャットボット(Chatbot)とは

  • 2017.03.15
  • アドバイス

Eコマース

前回はシナリオ型チャットボット(Chatbot)中心に説明を行った。今回は、人工知能(AI)活用型チャットボットの紹介を交え、Eコマースでのチャットボットのメリットを考えてみたい。

AIを活用したチャットボットとは?

やり取りするシナリオや選択肢があるわけではなく、生活者が自由入力したメッセージをAIが判断し、結果を返してくれるチャットボットについて説明する。より自然なやり取りを行え、より高度なコミュニケーションを行えるよう、各社が取り組んでいる。

AIを活用したチャットボットは、Eコマースで実験的に提供されているものの、継続して活用されている例を見つけられていない。アメリカのファッションECサイト、「Spring」がメッセンジャーアプリ「Kik」にてそれぞれの好みに合ったアイテムを提案してくれるチャットボットを提供していたが、この原稿を書いている20173月には利用できなくなっている。

類似の例として、AIを活用したチャットボットと人のやり取りを組み合わせて対応している。アメリカの企業「Operator」では、チャットの中で希望から欲しい物を探し出してくれる、イメージ画像を送ることでそれに似た商品を探してくれる、また、配達もUberを使って配達してくれる、との触れ込みだった。

ニュースを聞いた際は配達までも考えられていることに驚いていたが、同じく2017年3月現在、iOSアプリはUSのアカウントでも見つからず、結局実際の画面を試すことができなかった。

↑公式サイトが提供している利用イメージ画像。「新しいアパート用にサイドテーブルを探している」というチャットから提案してくれる模様。

Operator」が実現しているカンバセーショナルコマース(Conversational Commerce)では、チャットの裏側で対応しているのは、AIか人なのかは明らかではない。顧客が欲しい物を提案してくれるのであれば、AIなのか人なのかは関係ないのでは? というのがスタンスなのだと思う。そしてその思想は、とても合理的で正しいと考えている。

なぜなら、「美しい」「きれい」「格好いい」などの感性は、当たり前ながら人それぞれ異なるものだ。感性やセンスといったものをAIのアルゴリズムだけで判断するには、現状一人ひとりの感性のデータはまだまだ不足しているのかもしれない。

チャットボットならではのコミュニケーション

ここまでシナリオ型のチャットボットを中心に体験し、事例を紹介した。

チャットでのコミュニケーションがゲームのようにテンポよく進むのは、スマートフォンユーザーの「スキマ時間」や「ながら時間」で利用するにはピッタリのコンテンツだと言える。

また、デジタルの特性を活かした、写真や動画などのメディアをコミュニケーションの流れで挟んだりできるのも、世界観を表現したり、わかりやすく伝える手助けをしてくれるだろう。

「双方向」や「デジタルの特性を活かし」、「あたかも人が語りかけているような」コミュニケーションの結果、Webでのお買い物が得意でない人でも「実店舗と同じように、会話に乗っかっていけば目当ての商品が提案してもらえる」のは、Eコマースの裾野を広げると考えている。

生活者が思いつかない、イメージが無かった商品を探し出してもらうことはデジタルの世界では難しい。実店舗のように店員が提案したり、

相手の気持ちを先回りしてくみ取るシナリオを人間が描き、チャットボットは時にはキャラクターを演じながらコミュニケーションを取る。そういった使われ方が、現在Eコマースや小売業での主流の活用事例なのだろう。

そして、チャットボットの未来とは?

今回はEコマースや小売業でのチャットボットの使われ方を紹介した。今後、ECサイトの裾野を広げる目的で活用する企業が増えていくと考える。

次回はチャットボットがどのように活用されるかという未来を考え、チャットボットシリーズの最終回としたい。