越境ECとは?インバウンドを上回る越境ECのメリットと可能性

  • 2017.12.13
  • アドバイス

海外EC

越境ECとは、国境を超えて行われるECサイトの取引のことを意味します。近年、日本でもECの利用者数の増加に伴い、越境ECが盛んに行われるようになってきました。日本製の商品は高品質で安全な上、海外で取り扱っていないものも多いため、外国人から支持されている点も理由のひとつです。

今回は、越境ECの現状や拡大の理由、越境ECを行うにあたっての注意点などをご紹介します。

【目次】
1. 越境ECとは?
2. 越境ECの市場規模
3. 越境ECが拡大している理由
4. 越境ECを始める前に知っておきたい注意点
5. 可能性が広がる越境ECの大きな魅力

越境ECとは?

越境ECとは、インターネットの通信販売サイトを通じて行う国際的な電子商取引(EC)のことです。基本的には日本国内よりも、海外の消費者に向けて国内の商品を販売することを目的としています。

日本でも人気のECモールが新たに海外モールに出店をしたり、越境ECの支援サービスを提供する企業が登場したりするなど、越境EC市場が活性化しています。

越境ECの市場規模

近年はインターネットショッピングの利用が世界中で増加し、国内にいながら海外の商品を購入することも可能になりました。年々拡大している越境ECの市場規模についてご紹介します。

●日本・米国・中国の3カ国間における越境電子商取引の市場規模

経済産業省の調査によれば、平成29年度の日本の消費者による米国・中国事業者からの越境EC購入額は2,570億円で、前年比7.3%増となっています。一方、米国の消費者による日本・中国事業者からの越境EC購入額は12,070億円で、前年比15.9%増。中国の消費者による日本・米国事業者からの越境EC購入額は27,556億円で、前年比26.8%増という結果です。

参考:経済産業省「平成29年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」
http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180425001/20...

●ECの需要は確実に増加している

日本が越境ECに関する調査を行っているのは、日本・米国・中国の3カ国のみです(平成30年現在)。欧米では、和服などの日本ならではの民芸品の人気が高い傾向にあり、中国では日本の家電製品や衛生用品がよく購入されています。

また、タイやインドネシア、台湾などでは、「クールジャパン」と呼ばれるサブカルチャーや、自国にはない高品質の日本製商品を中心に越境ECのニーズが高まっています。例えば、台湾では日本の医薬品、タイでは日本メーカーの化粧品が多く購入されています。日本製の家電製品、お菓子、衣類などもさまざまな国で人気があり、今後は日本・米国・中国以外の国々でも越境ECの需要の増加が予想されています。

●越境ECはインバウンドを上回っている

越境EC率の高い中国を見ると、2014年に中国人が日本から越境ECで購入した商品の合計金額は6,064億円でした。一方、同じ年の中国人によるインバウンドの購入金額は4,020億円です。

以前、訪日中国人が日本製商品を大量に購入する「爆買い」が話題となりました。しかし実際は、中国人は日本に来て買い物をした金額よりも、インターネットを通じて購入した合計金額のほうが高いということになります。

参考:経済産業省「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」
http://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170424001/20...

越境ECが拡大している理由

世界中で、越境ECのニーズが高まっています。その主な理由を4つご紹介します。

●スマートフォンの普及

世界中にスマートフォンが普及したことで、どこにいても買い物ができるようになりました。端末が安価で簡単に手に入るようになったこともあり、多くの国でスマートフォンからインターネットを閲覧できるようになっています。つまり、スマートフォンさえあれば、多くの人が自分で海外のECサイトにアクセスし、自国商品などと比較しながら、より低価格で高品質なものを購入できるというわけです。越境EC拡大の背景には、スマートフォンの普及によって、ショッピングモールなどが近くにない地域に住んでいる人でも手軽に海外の商品を購入できるようになったことが影響しているのは確実です。

●訪日外国人のリピート購入

訪日外国人が日本で家電製品や衛生用品、食料品、衣類などを購入して、帰国後に使用したところ大いに気に入り、越境ECを利用してリピート購入するというケースがあります。自国の店頭では取り扱いのない商品も、越境ECなら手に入れることができます。

また、一度も日本に来たことがない外国人でも、日本を旅行した友人・知人にお土産としてもらったり、Webサイトで商品を知ったりしたことがきっかけで、日本製の商品を購入することがあります。そんなときでも越境ECなら簡単です。

●コストを軽減できる

越境ECなら、外国で直接出店する必要がありません。現地で外国人向けの商品を販売する際に大変なのは、出店申請の手間や家賃、現地スタッフの人件費です。十分なマーケティングを行わなければ、出店できたとしても失敗してしまうリスクがあります。
その点、ECサイトなら実店舗を持つよりも大幅に初期費用を抑えることができます。サイトの作成やシステムの導入などを含め、数万円~数十万円程度でスタートでき、低コストで始められます。

●商圏を拡大できる

人口減少などの理由から、今後の日本の消費は低下が予想されています。越境ECならば、簡単に海外進出が可能です。日本の商品を購入できる場が少なかったり、潜在的な顧客が多かったりする国はまだたくさんありますので、新規顧客獲得も見込めるでしょう。ネット上で外国人顧客向けの店舗を持つことができるため、日本にいながら海外市場が開拓できます。

越境ECを始める前に知っておきたい注意点

メリットの多い越境ECですが、日本国内向けのECサイトとは異なる点も少なくありません。越境ECを実施する上での注意点を理解しておきましょう。

●配送料や手数料が国内ECよりも高い

越境ECの場合、インターネットサイトを通じて注文があった商品は、日本から海外へ輸出することになります。配送料や手数料は日本国内よりも高額になるため、結果としてユーザーが負担する金額は大きくなってしまいがちです。そのため、「低価格」「お得」などを売りにした販売戦略は難しい場合があります。

それよりも、外国人に人気のある日本の商品やブランド、海外にはない珍しい商品などを売りにしたほうが、売り上げが見込める可能性が高いでしょう。
また、越境ECの場合は外貨で決済が行われます。そのため、為替レートの変動などによって価格に大きく差が出てしまうという点も理解しておきましょう。

●販売先の国によって法律が異なる

越境ECでは、物流や決済方法、発送手段、翻訳など、販売国に合わせた対応が必要です。例えば中国の場合、インターネットサイトの開設・運営はすべて許可制となっており、「ICP」と呼ばれるライセンスがなければ、サイトを開設できません。中国で電子商取引を行うためには、ICPライセンスの取得が必須です。ライセンス未取得の場合は違法となり、発覚するとサイトの運営停止や罰金などのペナルティが科せられます。

トラブルにならないよう、海外では日本と異なる法律があることを念頭に置いた上で、事前の調査や対策をきちんと行いましょう。

●関税など国際輸送における取引は規制が多い

国境を超える取引には、商品やサービスに対して関税が発生します。商品によっては、関税法で輸出入が禁止されているものもあります。例えば、中国では古着の輸入が禁止されていたり、中古機器などの輸入には現地確認が必要になる規制があったりします。

輸出入の許可リストは、各国の税関ホームページに掲載されています。越境ECで取り扱う商品が、販売国で輸出入が禁止されていないかどうかを事前にチェックしておきましょう。

可能性が広がる越境ECの大きな魅力

越境ECは、インターネットショッピングが当たり前の時代になった現代にマッチしたサービスのひとつです。意外な日本製品が海外で人気があったり、外国人のニーズに合う商品がまだ数多く眠っている可能性があったりして、日本の海外向け越境ECは今後も拡大していくことが予想されます。

ただし、越境ECのビジネスを始めるにあたっては、日本とはルールや規制が異なることに十分注意をすることが大切です。

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